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葬儀保険「千の風」のコラムのページをご覧いただきありがとうございます。
家族や親族が亡くなると四十九日の間は忌中、一年間は喪中期間となります。喪中に新年を迎える場合、どう過ごすのか悩むケースもあるでしょう。今回は喪中の方の年末年始の過ごし方や、新年の挨拶について解説しています。
目次
喪中とは、親族の死を悼む期間をさします。喪に服しているのですから祝い事を避け、目立つことや贅沢は慎まなければなりません。
血縁関係のある二親等以内の親族(両親や子供、兄弟姉妹、祖父母、孫、兄弟姉妹の配偶者)が亡くなった場合に喪中となります。配偶者は0等親です。
二親等以外の親族でも同居しているなど、特に親しい関係であった場合は喪に服すこともあり得ます。
また喪中の期間は一年間です。
親族が亡くなってから四十九日までの間を忌中、喪中は亡くなってから一年間となります。四十九日は仏教の考え方で、故人の魂は四十九日に最後の裁きを受けてあの世に行くとされており、喪中より忌中がより重視されます。
喪中のときに新年の挨拶「あけましておめでとうございます」の使用は控えましょう。喪中は祝い事を避けなければなりませんので、おめでとうございますという言葉自体がNGです。
では新年のあいさつに対してどのような返事をすればよいのでしょうか?以下を参考にしてください。
喪中はがきは「喪中のため新年のあいさつができない」ことを知らせる挨拶状です。年賀状を出すことが一般的になってから始まったため、比較的新しい風習となります。
喪中はがきを出す時期は11月から12月上旬までが目途です。あまりに遅くなると「年賀状を出したあとに喪中はがきが届いた」となり、失礼になりかねません。
喪中はがきについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
参考: 「喪中はがきとは?喪中はがきの書き方を文例を交えて解説」
喪中はがきには使ってはいけない言葉が存在します。喪中はがきで使ってはいけない言葉は「お祝い事」に関するものです。喪中はがきに結婚や出産報告、新築や改築の報告をするのはNGです。
また葬式でも避けられる「重ね重ね・たびたび」などの忌み言葉や、死亡や死去など死を連想させる言葉、敬具や拝啓などの言葉も避けましょう。
上記の内容をおさえたうえで、喪中はがきの例文をご紹介します。
喪中のお知らせメールで送るときの例文をご紹介します。メールを送る時期は喪中はがきと同じ、12月上旬までが目途となります。
寒中見舞いとは、寒さの厳しい時期に相手の健康などを気遣うための挨拶状です。暑中見舞いなど夏の挨拶状は広く知られていますが、寒中見舞いにはなじみがない、という方もいらっしゃるようです。
寒中見舞いは二十四節季の小寒(1月5日前後)から立春(2月4日前後)の間の寒中に送る挨拶状です。喪中はがきを送れば寒中見舞いを送る必要はありませんが、送っても大きな問題はありません。
寒中見舞いは、すでに寒中見舞いの文面が印刷されたはがきを使うのがもっとも手軽です。自分で作成したい場合は、郵便局の官製はがきをつかっても構いません。
寒中はがきでは「拝啓・敬具」などの頭語や結語は不要です。また「死亡・去る・消える・悲しむ」などの忌み言葉は避けましょう。
年賀状を寒中見舞いに流用するのは失礼にあたりますので避けてください。また立春をすぎると寒中見舞いではなく「余寒見舞い」となるため注意してください。
上記の注意点をおさえたうえで、寒中見舞いの例文を見てみましょう。
メールにて新年の挨拶がきた場合は返信しても問題ありません。その際に「あけましておめでとうございます」の言葉はNGです。もちろん忌み言葉も使ってはいけません。メールによる新年のあいさつに対しては、以下のような返事を参考にしてください。
喪中は注意事項が多く、「なにがOKでなにがNGか分かりにくい」と感じられる方も少なくありません。
そこで喪中の年末年始でおこなってもよいことをまとめました。年末の大掃除や除夜の鐘を鳴らすこと、お歳暮を贈ることや年越しそばを食べることなどは問題ありません。
大掃除は祝い事ではなく、家の中をきれいにする行為ですので問題はありません。家の中をきれいにして気持ちよく新年を迎えましょう。
除夜の鐘は人間の煩悩を払うためにおこなわれます。煩悩を打ち払う行為はお祝い事ではありませんので、喪中であっても除夜の鐘を鳴らすことは問題ありません。
そばは細く長いことから「健康で長生きできること」を願って年末にそばを食べることが風習になったようです。お雑煮は記念日やお祝い事に食べていましたが、今は特別な食事ではありません。
どちらも祝い事とは関係がないため、年越しそばやお雑煮を食べることはタブーではありません。ただし、豪華な食事は避けたほうがよいでしょう。
お歳暮は普段お世話になった方への贈り物なので、お祝い事とは関連がなく問題はありません。ただし、お祝いの熨斗を付けるのは避けましょう。
お年玉も問題ありませんが「あけましておめでとうございます」の記載があるポチ袋は使わないでください。「ほんの気持ち」や「「おこづかい」の文字が記載されたポチ袋の使用がおすすめです。
年末年始にはお祝い事も多くありますが、喪中の場合は避けるべきことが多くあります。正月飾りやおせち、初詣、旅行など、喪中に控えたほうがよいことをみていきましょう。
喪中に新年を祝う年賀状を送るのはNGです。そのため前年の11月から12月上旬までに喪中はがきを送りましょう。
喪中はがきが発送できなかった場合は、小寒から立春までの間に寒中はがきを送りましょう。送る際に「喪中で年賀はがきが送れなかった」と事実を伝えるとよいでしょう。
しめ縄や鏡餅などは祝い事に関連します。そのため自宅に正月飾りは避けましょう。
お正月にお迎えする年神様は神道の神様であり、神道では死は穢れと考えられています。喪中の家に、死を避けたい年神様を呼び込むような正月飾りは避けるようにしましょう。
おせち料理はお正月を祝うために食べられています。子孫繁栄を願う数の子や、黒く日焼けできるまで元気にマメに働けることを願った黒豆など、縁起のよい食材ばかりです。
これらはお祝い事に直結するため、喪中期間は避けましょう。ただし精進料理を基本とした「ふせち料理」であれば問題ありません。
「お年賀」は祝いの意味が含まれるため避けた方が良く、お年賀としてではなく寒中見舞いなど別の形で贈るのが適しています。
寒中見舞いは小寒から立春までの期間に贈るのが基本です。スイーツやドリンク、グルメなどさまざまな商品から選ぶと良いでしょう。
神道では死を穢れとみなすため、参拝に関しては注意が必要です。一般的には忌中(四十九日)の間は参拝を控え、忌明けに参拝するのは問題ないとされています。
また仏教には死は穢れという発想がないため、お寺へのお参りは忌中でも問題ありません。
結婚式はお祝い事なので、忌中の結婚式への参加は控えましょう。近年では忌明けであれば参加しても問題ないことが多くなっています。
ただ迷ったときは新郎新婦に相談するとよいでしょう。新郎新婦と親族とが話し合い、OKが出れば問題ありません。
喪中期間は故人の死を悼み、祝い事や派手なことは避けるとされています。そのため旅行に行くのも避けた方がよいでしょう。
ただし、社員旅行などは自分の意思で決めたイベントではないため、職場とよく相談して決めるのが無難です。またキャンセルできない旅行の場合は、故人や家族の思い出の場所を巡るなどもよいでしょう。
キリスト教・浄土真宗は喪中という概念がありません。キリスト教は死ぬことで神様のいる天国に行ける喜ばしいこととされ、浄土真宗では死ぬと成仏するという発想なので「死は穢れ」と考えないのです。
イスラム教の場合、男性は3日間故人に対する追悼を、女性は4ヵ月と10日間喪に服すとされています。特に女性は結婚式やパーティー、乗馬などの娯楽はNGです。
ヒンドゥー教では故人の死後13日間に葬儀や儀式をおこないます。この期間を喪中と考えても問題ないでしょう。日本と同じく派手なことを慎み、火葬や遺骨を拾う、葬式、遺骨をガンジス川に流すなどの儀式をおこないます。
会社と個人は別という発想から、通常通り新年の挨拶をするのが一般的です。ただし遺族としての気持ちの問題もありますので「新年あけましておめでとうございます」が言いにくいときは「新年となりました。今年もよろしくお願いします」などの言葉を使うとよいでしょう。
喪中の方をお祝いごとに誘うことは失礼ではありません。ただし、断られることが多いため、声をかけるのを控えるほうがよいかもしれません。
余計な負担をかけないためにも、相手の立場を考えることが大切です。
基本的に集まっても問題ありませんが、喪中でお祝いごとや派手なイベントは避けることが基本です。お祝いの意味が強い、派手な新年会を開くのは避けましょう。
喪中は故人の死を悼み、気持ちを整理するための期間です。お祝いごとを避けて慎みながら生活しますが、特にお祝いごとの多い年末年始は「なにをおこなってもよいのか・悪いのか」をしっかり意識しましょう。また喪中の方の立場や気持ちを思い、できるだけ負担にならない言動を心がけることも大切です。