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老衰の前兆(サイン)とは?死亡までの期間にやるべきことなどを解説

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葬儀保険「千の風」のコラムのページをご覧いただきありがとうございます。

日本では2007年に超高齢社会に突入し、高齢者の割合は今後も増えていくと言われております。高齢者の死因で老衰は年々増加しています。

老衰は突然発症するのではなく前兆(サイン)があると言われています。

本記事では、老衰の前兆(サイン)についてどのようなものか解説し、死亡までの期間にやるべきことなどをご紹介します。

老衰とは

老衰とは、加齢によって身体機能や臓器機能が衰え、病気を伴わずに自然に亡くなることです。具体的には、80歳を超えた高齢者が病気や外傷などの直接的な死因がなく、生命維持が困難になったために亡くなった場合に「老衰死」と判断されます。

近年では高齢化社会の進展により老衰死の割合は2005年頃から急激に増加しており、2022年の厚生労働省の調査によるとその割合は11.4%となっています。
参考元:令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況

老衰死は何歳から?

老衰死は、明確な年齢で定義されているわけではありません。厚生労働省の統計では、80歳を超えると老衰死の割合が急増し、90歳を超えると約30%、95歳を超えると約50%を占めます。

2023年時点での日本人の平均寿命は、男性は81.41歳、女性は87.45歳です。
つまり、男性であれば81歳以降、女性であれば87歳以降の方が亡くなった場合、老衰死の可能性が高くなるといえるでしょう。

老衰死の前兆(サイン)とは

身体機能が低下する

加齢にともない、筋肉や骨、脳などの機能が衰え、身体機能が低下していきます。具体的には、筋力や握力の低下、歩行速度の低下、平衡感覚の低下、日常生活動作(ADL)の低下などの症状です。

これらは日常生活に支障をきたすだけでなく、転倒によるけがのリスクを高める可能性もあります。

睡眠時間が増加する

老衰が進行すると、脳機能が低下するため意識を保つのが困難になります。その結果引き起こすのが、睡眠時間の増加です。

深い眠りにつくのも難しくなるため睡眠途中で目が覚めてしまい、朝すっきりと目覚めることができません。

昼夜問わず眠そうにしていることや寝ている時間が多くなり、最終的には1日のほとんどを寝て過ごすようになることもあります。

体重が減少する

老衰が進むと食事をしても栄養が吸収されにくくなるため、体重が減少します。
その要因は、内蔵機能の低下や水分を十分に摂取できないことによる脱水症状です。

体重減少は体力低下や免疫力低下、褥瘡(じょくそう)などのリスクを高める可能性があるため注意しなければなりません。

食欲が低下する

老衰が進行すると食欲も低下します。これは味覚・嗅覚の機能低下や、歯が弱くなったり入れ歯が合わなくなったりすることによる咀嚼困難が原因です。

食べ物を十分に摂取できないと栄養不足に陥り、前述した身体機能の低下や体重減少のリスクを高めてしまいます。

老衰から死亡までの期間で家族がやるべきこと

延命治療をおこなうか意思確認しておく

老衰が進行すると、生命維持のための医療処置が必要になる場合があります。しかし、延命治療は身体的な負担が大きいため、本人の意思を確認しておくことが大切です。

また、途中で本人の考えが変わる可能性もあります。意思確認は本人の意識がはっきりしているうちに何度も繰り返しおこないましょう。

葬儀の希望を確認しておく

葬儀は、故人を送り出す大切な儀式です。
どのような葬儀をおこなうか、本人の希望を事前に確認しておくとよいでしょう。聞いておくべきことの例は次のとおりです。

・葬儀の種類:家族葬、直葬、火葬のみなど、どのような葬儀をおこなうのか
・参列者:誰に参列してほしいか
・費用:葬儀にかかる費用について

葬儀に関する希望は、エンディングノートなどに書いておくと、家族がスムーズに準備を進めることができます。

遺言書を準備しておく

遺言書があれば、財産や遺産の分配について本人の意思を明確に伝えることが可能です。遺言書を用意していない場合、相続手続きは遺産分割協議で進めることになりますが、相続人全員の意見が一致していなければ手続きができません。

家族間のトラブルを避けるためにも、遺産の取得割合や分配方法、未成年の子がいる場合の後見人や財産管理人などについてしっかりと話し合い、遺言書にまとめておきましょう。

その他老衰から死亡までの期間で家族ができるケア

調理方法を工夫する

食べ物を噛む力や飲みこむ力が弱まり食事が困難になるため、無理なく食べられるように調理方法を工夫しましょう。
食材を柔らかく煮たり、細かく刻んだり、とろみをつけたりした「介護食」の提供がおすすめです。

また、本人の好みや食べやすい量を考慮することも忘れないようにしてください。

身体を清潔に保てるようにする

老衰の進行により身体機能が低下すると、身体を洗ったりトイレに行ったりすることが困難になります。身体が汚れたままだと、褥瘡(じょくそう)や感染症を患う可能性もあります。

本人の体力や状態に合わせて入浴頻度や方法を調整したり、排泄介助を丁寧におこなったりして、身体を清潔に保てるようにするとよいでしょう。

転倒や転落のリスクを減らす

筋力や平衡感覚の低下にともない、転倒や転落のリスクが高まるため注意する必要があります。

屋内では手すりの設置や滑りにくい床材の使用、障害物の撤去、不要物をなくして整理整頓すると安心して室内を歩けます。

外出時は付き添い、手をつないだり杖や歩行器を使用したりして、転倒や転落に注意しましょう。

快適な環境を整える

老衰が進行すると、暑さや寒さ、音や光など、さまざまな刺激に敏感になります。

室温や湿度を調整したり好きな音楽をかけたりするなど、快適な環境を整えてあげてください。暖かみのある色の照明や、リラックスできる香を取り入れるのもおすすめです。

快適な環境は心身をリラックスさせるため、本人も毎日を安心して過ごせるはずです。

コミュニケーションを積極的にとる

家族や友人とのコミュニケーションをとることは、心のケアにつながります。
本人の話をよく聞いて共感したり、言葉だけでなく表情やジェスチャーで感情を伝えましょう。

手を握ったり、マッサージをしたりするのもよいスキンシップとなり安心感を与えます。また、不安や心配なことがあればじっくりと聞いてあげ、笑顔で接してあげてください。

まとめ

今回は老衰死の前兆(サイン)についてお話しました。老衰の前兆や、老衰から死亡までの期間で家族ができることについて理解しておくことで、大切な方を最期まで支えることができます。

死と向き合うタイミングではさまざまな準備がありますが、そのひとつとして葬儀の準備をしておくとよいでしょう。
葬儀は故人への感謝の気持ちを伝え、残された家族が悲しみを乗り越えるための大切な儀式です。

家族が協力して準備をすることで、故人を偲び、思い出を共有する場となるでしょう。
葬儀にはまとまったお金が必要になるため、事前に備えておくと安心です。

葬儀保険「千の風」では、豊富な全13プランをご用意しており、一人一人にあったプランのご提供が可能です。

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