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葬儀保険「千の風」のコラムのページをご覧いただきありがとうございます。
葬儀に参列する際に遺族に渡す香典ですが、やむを得ず葬儀に参列できず、香典を郵送したいときはどのように進めたらよいのでしょうか。
本記事では、香典の郵送の仕方や準備するもの注意点などを解説します。
目次
結論からいうと、香典の郵送は可能です。
香典は手渡しが一般的ですが、遠方であったり、仕事や学校の都合でやむを得ず葬儀に参列できない場合は香典を郵送しても問題ありません。
お悔やみの気持ちを伝えるためにも、何もしないよりは郵送したほうがよいでしょう。
香典を郵送するためには「現金書留専用封筒」、「手紙(添え状)」、「香典袋」、「お金」が必要です。
現金書留専用封筒は香典袋をそのまま入れることができます。全国の郵便局で購入でき、料金は21円となっています。郵便局は場所によっては休日の営業をしていないので注意が必要です。
香典を郵送する場合、短い手紙を添えるとよりお悔やみの気持ちが伝わり丁寧になります。香典だけでなく手紙も添えるとよいでしょう。
香典袋は故人の宗教に合わせて選ぶのがマナーです。
例えば、仏教の場合は香典を渡すタイミングによって表書きが変わります。
神式やキリスト教はタイミングによって表書きが変わることはありませんが、どちらとも仏教とは違う表書きになるため注意しましょう。
香典袋の書き方についてはこちらの記事もご参考ください。
香典袋の正しい書き方とは? 宗教別に書く際の注意すべき点や包み方を解説
また、香典の金額相場については亡くなった方との関係性や年齢によって変わります。一般的には近しい親族ほど高く、両親で3万円~10万円、兄弟姉妹で3万円~5万円、祖父母で1万円~5万円ほどです。
おじさん・おばさんやその他親族だと1万円~3万円で、知人や友人、職場関係の方だと3,000円~1万円ほどです。
香典を包む方の年齢が上がるほど包む金額が増えていくため、亡くなった方との関係性や年齢を考慮しながら金額を決めましょう。
香典の詳しい説明や、香典の金額相場についての詳しい解説はこちらの記事もご参考ください。
香典とは?金額の相場や渡すときのマナーについて解説!
香典に添える手紙の各項目について説明します。
「拝啓」、「謹啓」などの書き出しから始まる頭言葉は書きません。
また、季節をあらわす挨拶である時候の挨拶文も書かないようにしましょう。
もし故人の家族と面識がない場合は故人と自分の関係性を書きましょう。「学生時代の友人」や「職場の同僚」などと書いていればご家族の方も安心して香典を受け取ることができます。
お悔やみの手紙では、遺族を気遣う言葉を簡潔に伝えましょう。故人への弔意や遺族への労わりを書くものなので、傷心している遺族に対して故人が亡くなった原因をきくのはマナー違反です。
お悔やみの言葉とともに葬儀や弔問に伺えないことへのお詫びの言葉を書きましょう。突然の訃報が届いてやむを得ず葬儀に参列できない場合、不本意な欠席であることを伝えると丁寧です。
最後に香典を同封していることを書きましょう。「心ばかりであること」、「御霊前にお供えしていただくようお願いすること」の2点を書くようにしましょう。
手紙を書くにあたっていくつかの注意点があります。ここでは便箋や封筒の選び方や使用すべきではない言葉について説明します。
便箋の色は白または薄色のもので、形式は縦書きのものを選びましょう。
薄墨を使うのが正式なマナーとなっています。薄墨用の筆ペンがなかったり、用意が難しかったりする場合は普通の筆ペンやインクでも問題ありません。
しかし近年ではコンビニなどでも薄墨用の筆ペンが購入できるので可能な限り薄墨を使うようにしましょう。
葬儀や弔問の場において、不幸や繰り返しを連想させる「重ね言葉」や悪いことをイメージさせる「忌み言葉」は避けましょう。
具体的には「重ね重ね」「次々」などの繰り返しを意味する言葉や、「続いて」「再び」などというような不幸が重なる・続くというイメージを抱かせてしまう言葉です。
また、直接生死を連想させるような「死ぬ」「生きていた」も忌み言葉にあたります。忌み数と呼ばれる「四((死))・苦((九))」なども避けましょう。
最後に宗旨宗派における忌み言葉です。それぞれの宗派によって死生観が違うため、亡くなった方の宗派が分かっている場合は配慮が大切です。
例えば仏式では死後の世界である「冥土」を歩み成仏するという教えがあるため、「成仏できないこと」を連想させる「浮かばれない」という言葉は忌み言葉にあたります。「ご冥福」と言い換えるようにしましょう。
神式では死者の御霊は神として祀るため、仏式とは異なり故人の死後の幸せを願う「冥福」という言葉は使わず「安らか」という言葉を使いましょう。
キリスト教式では神のもとに召されるとされているため、「お悔やみ」という言葉は使わず神式と同様「安らか」という言葉に言い換えましょう。
便箋は1枚におさめるようにしましょう。2枚重なっていると重ね言葉と同様「不幸が重なる」というイメージを与えてしまいます。
先ほどの便箋と同様に、「弔事が重なる」という意味合いを避けるため封筒は二重のものではなく一重封筒を選びましょう。
ケース別で手紙の文例を紹介します。
遠方に住んでいてやむを得ず葬儀を欠席する場合の文例を紹介します。
「○○さまの訃報に接し、最後まで病魔と闘い続けたその姿を称え、哀悼の意を表します。即座に駆けつけお別れのあいさつをしたいのですが、遠隔の土地よりご冥福をお祈りいたします。ご家族のみなさまに心からお悔やみ申し上げます。心ばかりのものですが同封いたしましたので、御霊前にお供えしていただければと存じます。」
家族葬などを執りおこなったため、訃報を後日知った場合の文例を紹介します。
「○○さまのご逝去のお知らせを受け、謹んでお悔やみ申し上げます。○○さまには私の父の葬儀の際、あたたかい慰めのお言葉をかけていただいたことを思い出します。ご家族様もお寂しくなることでしょうが、どうかご自愛ください。ご霊前にお供えいただきたく、心ばかり同封させていただきます。心よりご冥福をお祈りいたします。」
故人と深い関係ではない場合は一筆箋でも問題ありません。遺族が安心して受け取れるよう、お悔やみの手紙であること・香典が同封されていることを明記しましょう。
「このたびは、ご尊父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。遠方におりますため、ご葬儀に参列することが叶わず、申し訳なく存じております。心ばかりですが、同封のものをご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。」
「ご尊父」とは、第三者の実父に対する敬称です。母の場合は「ご母堂」と記載します。
香典は上包みにするのがマナーです。上包みはお金を包んだ中袋(不祝儀袋)を上から包む紙のことで、弔事の際は1枚使用します。
裏の折り返しの重なりは、上側が上になるように折ります。
中袋にお金を入れる際の方向も決まっていて、お札は人物が描かれている面が袋の裏側になるようにして、なおかつ人物が袋の下に来るようにしましょう。中袋がない場合も同様です。
郵送の場合は現金書留の封筒に直接お金を入れてはいけません。現金を中袋に入れてから現金書留封筒に入れましょう。現金書留封筒にも差出人の住所や氏名を記載しますが、その場合も中袋には住所・氏名を省略せずに書きましょう。
中袋を現金書留封筒に入れるため、便箋は封筒に入れず、中袋と一緒に直接現金書留封筒に入れる形で問題ありません。
香典の詳しい包み方についてはこちらの記事もご参考ください。
香典の包み方とは?中袋がない場合の包み方や注意点を解説
葬儀に参列できないことが分かった時点で、香典が葬儀に間に合うよう早めに香典を送るのが理想です。
香典は基本的に喪主の住所に送りますが、タイミングによっては葬儀社、斎場宛てに郵送します。
葬儀まで日にちがある場合は宛先を喪主の住所にします。
万が一通夜・葬儀当日の到着となる場合は葬儀場宛てに郵送します。ただし、葬儀場が香典の郵送対応をおこなっているかは葬儀場によるため、事前に電話などで確認しましょう。
葬儀場宛ての場合は宛先を「斎場名(○○斎場)+喪家(○○家)+喪主名(○○様)」というように記載しましょう。
宛名は喪主名ではなく「気付」としても問題ありません。
気付とは、郵便物を相手の住所に送るのではなく、その方と関係のある所、立ち寄る所宛て送るときに使用します。
葬儀後に郵送する場合は喪主の住所に送りましょう。
香典を郵送する場合、送り方や宛先を間違えないよう気を付けましょう。
現金の郵送方法は現金書留しかないため注意しましょう。
料金は、郵便物の基本料金+435円(損害要償額1万円まで)となり、さらに5,000円ごとに+10円(上限50万円)となっています。
郵便局で購入できる現金書留専用封筒(売価21円)を使用して郵送しましょう。
葬儀から日を開けて香典を送ると、香典返しなどで喪主に手間をかけさせる恐れがあります。葬儀から1週間くらいを目途に、遅くとも1ヵ月以内に喪主の手元に届くように郵送しましょう。
葬儀前日までに郵送する場合は「喪主の住所」、葬儀当日の場合は「葬儀場」(その場合葬儀場が対応してくれるか要確認)、葬儀後の場合は「喪主の住所」となります。
香典を包むときのマナーに加えて郵送する場合の注意点がいくつかあります。
やむを得ず葬儀に参列できない場合は、故人への気持ちやご家族への労わりの気持ちをもって香典を郵送しましょう。