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葬儀保険「千の風」のコラムのページをご覧いただきありがとうございます。
人が亡くなったときには法要が執り行われます。亡くなった日を起点として7日目におこなう法要が初七日です。
本記事では、初七日について、本来の意味や知っておきたいマナーなどを解説します。
目次
初七日は、仏教における法要の一つで亡くなった日を含めて7日目に執りおこなうことになっています。古い読み方であれば「しょなぬか」ですが、現代では「しょなのか」でも通用します。
初七日を執りおこなう目的は、故人が極楽浄土に行けることを祈るためです。仏教では、生前のおこないを閻魔大王を始めとする地獄の十王が取り調べて裁くと信じられており、初七日は最初の秦広王の取り調べが始まる日ということになっています。
生きている方たちが法要を行えば故人の罪が軽減され極楽浄土に行きやすくなるということで、宗教的には重要な意味を持っているといえるでしょう。
葬儀と初七日は開催時期が近いのですが、目的が異なります。葬儀は、生きている人が故人とお別れをするための儀式です。
故人と深い付き合いがあった方だけでなく、仕事で面識がある程度の方も参列します。一方で、初七日は故人の冥福を祈っておこなう追善供養の一種です。
故人のことを思っておこなう儀式であり、遺族や親戚など関わりの深い方が参列します。
初七日に参列するときに、香典は必要なものです。故人の冥福を祈る気持ちが最も重要ではありますが、それを香典と言う形にしないと施主や遺族に伝わらないでしょう。
初七日と葬儀を同時におこなう場合であっても、基本的にそれぞれに香典が必要なので用意しておかなければいけません。ここで注意点として、初七日のような宗教儀式には地域性があるので、事前に確認をしておきましょう。
基本的には必要な香典ですが、場所によっては不要となることもあります。そうした場合、地域の風習にあわせるのがマナーです。
初七日の香典を持っていくときには、香典袋が必要となります。自宅に香典袋を常備していないとすれば、どこかで購入しなければいけません。
購入できる場所としては、一般的にコンビニ、文具店、仏具店、斎場などです。場合によっては、在来線、新幹線の駅にある売店でも購入できるので移動中に確認してみましょう。
香典袋を用意して初七日の会場へ持参する際には、敬意を払うために香典袋を袱紗に入れておくことがマナーです。袱紗も香典袋と同じくコンビニや文具店などで購入できますが、あまり品質が高いものは置いていません。その点が気になるなら、デパートや仏具店で扱っている高品質の袱紗を購入しておきましょう。
参考:袱紗(ふくさ)とは?葬式用の袱紗の種類や選び方、マナーなど徹底解説!
初七日で香典を持参するときに入れる金額ですが、故人との関係性と自分の年齢によって変わります。
故人が自分の親や兄弟・姉妹であれば、社会人として経験が浅い20代で1~3万円が目安となるでしょう。それが30代から40代になってきたら、1~5万円まで増えます。さらに年齢が上がれば、多くて10万円となります。祖父母や伯父(叔父)・伯母(叔母)などの親戚となれば、20代の頃で3千円から1万円が目安です。それから30代、40代となれば、5千円から3万円と金額が増えていきます。
血縁関係・姻戚関係ではない友人・知人の場合は、20代で3千円から1万円、30代以上でも5千円から1万円が目安です。
初七日の香典で使う香典袋ですが、いろいろと種類があるので金額に応じてふさわしいものを選んでいきます。数千円から1万円以下の香典であれば、あまり豪華なものだと不釣り合いです。水引が印刷されている香典袋を使いましょう。
1万円から3万円の香典ならば、黒白の水引が結ばれている香典袋が最適です。さらに金額が上がり3万円以上となったら、双銀の水引が結ばれており高品質な和紙を用いた香典袋を用意しましょう。
香典を用意するときの注意点ですが、初七日で会食があるのかどうかを確認しておきましょう。会食がある場合には、会食の費用も香典に上乗せしておきます。
他にはお札の枚数にも配慮が必要です。偶数は「割り切れる数字」であり、故人との縁を切るということを連想させます。そのため、香典袋に入れるお札の枚数は割り切れる偶数ではなく、割り切れない奇数にしておくのが一般的なマナーです。
香典の金額を決めるときに、一番大きい桁を奇数にしておけばお札の枚数が偶数になることはないでしょう。お札については、新札を避けなければいけません。新札だと不幸を予期して準備したように見えることから、遺族に失礼な行為となってしまいます。使い古したお札を香典袋に入れておきましょう。
香典袋は、宗派や香典を出す人数などにより書き方が変わります。さまざまなパターンで最適な書き方をみていきましょう。
仏教で初七日の香典袋に書く言葉は「御霊前」です。仏教も宗旨によって違いはありますが、一般的に亡くなってから四十九日は極楽浄土を目指す旅の途中だと考えられています。
まだその段階では死者は仏ではなく霊なので、香典は霊前に供えるという意味で「御霊前」という言葉を使います。四十九日の法要を終えれば、仏となるので香典袋は「御仏前」という言葉に変わります。
神式で香典袋に書く言葉は、「御榊料」か「御玉串料」あるいは「御神前」です。香典や四十九日の法要は、仏教のものですから、初七日というものもありません。
しかし、神道でも十日ごとに霊祭をおこなう風習があり、亡くなってから10日目におこなう十日祭が初七日と同じような扱いになります。
キリスト教では、初七日の香典について、カトリックならば「御花料」や「献花料」あるいは「御ミサ料」などの書き方をします。
プロテスタントの場合は、「御花料」や「献花料」です。どちらを信仰しているのか、事前に確認しておきましょう。またキリスト教では香典袋に水引をつけず、白い封筒に十字架や白いユリが描かれているものを用います。
キリスト教専用の香典袋は、コンビニなどでは扱っていないので最寄りの教会やネット通販で購入しましょう。
無宗教であった場合は、「御香典」や「御霊前」と書かれた香典袋で問題ありません。その2つの言葉は、仏教以外でも広く用いられているので、相手の信仰を無視することにはならないでしょう。無宗教だと思っていたけれども、実は違っていたというときでも使える言葉です。
香典の外袋中段には、誰の名義で出されたものなのかがわかるように氏名を書きます。その書き方は、個人で出す場合と複数人で出す場合で異なるのでよく調べておきましょう。
夫婦など2名で香典を出す場合には、夫は右で妻は左です。兄弟・姉妹は男性が右で女性は左となります。性別が同じであれば、年功序列で年上が右です。名字については、同姓ならば一番右に書かれた方だけがフルネームで、後に続く方は名前だけです。
3名で出す場合、職場で出す香典は役職の順に右から氏名を書きます。役職の違いがなければ、年齢順に右から氏名を書きましょう。家族であれば男性が右で女性が左です。同性の場合は、年上の方が右となります。
4名以上が一緒に香典を出すとなれば、個別に氏名を書くのはスペースがありませんし、相手もわかりにくいでしょう。そこで、部署名やサークル名などを書いたあとに「一同」という言葉を付け加えるのが一般的です。代表者がいるならば、代表者名を書いてから、左側に「他一同」や「他何名」と添えておきます。
会社や団体として香典を出すときには、代表者名を中心に据えて書き、会社名や団体名、役職はその右側に小さく書いておきます。代表者が香典を出すのではなく、代理人が出す場合は依頼者の氏名の左下に「代」と書き添えるのがマナーです。
香典は、中袋にも書き込むことがあります。中袋の表面と裏面に、どのようなことを書くのか見ていきましょう。
中袋の表面に書くものは、香典袋に入れた金額です。金額の頭には「金」という言葉をつけ、数字はアラビア数字、いわゆる算用数字ではなく旧漢字で書くことで金額の改ざんや誤りを防ぎます。円についても「圓」という旧漢字を用いましょう。
中袋の裏側には、香典を出した方の郵便番号、住所、氏名を書くことになっています。書く場所は中袋の左下で、基本的に縦書きなので注意して書きましょう。複数人で出す場合には、別紙を用意しておき一人ひとりの郵便番号、住所、氏名を書いて香典袋に入れておきます。
参考:香典袋の正しい書き方とは? 宗教別に書く際の注意すべき点や包み方を解説
初七日で出す香典ですが、香典袋の種類によって包み方が異なります。中袋のある場合、ない場合、奉書紙で包む場合でどのような包み方となるのかを解説しましょう。
中袋がある香典袋では、袋の表側に対してお札の裏側が来るように入れます。お札は肖像画の顔がある方が表のため、裏側にするということは渡すときに顔が下を向くということです。それは、悲しみで顔を伏せているという意味になり、遺族に対して弔意を示す行為となります。
お札の向きについては、地域差があるので住んでいる場所の慣習がどうなっているのかを調べましょう。
中袋がない香典袋では、お札をそのまま入れてしまって構いません。香典袋の表側にお札の裏側が来るようにしておけば、遺族への弔意を示せます。
中袋がない場合は、金額や郵便番号・住所・氏名を香典袋の裏側に書き込みましょう。
中袋の代わりに、奉書紙がセットになっている場合があります。
お札の裏側を香典袋の表側に向けて入れることを知っていれば、お札の入れ方で悩むことはありません。奉書紙でお札を包む際には、ざらついている面を上にして斜めに置き、お札の裏側を上にして中心部に横向きで置きます。
奉書紙をお札の下にある長辺に沿って折り、次に左の辺に沿って折ります。続いて右の辺に沿って折り、お札ごと上に折りたたみます。
すると、奉書紙の中ではお札の顔がある表側が上となります。その段階で、奉書紙の角にあたる部分が上部から飛び出ているので、お札の長辺にそって折れば奉書紙は封筒のような形となるでしょう。 奉書紙の包みを裏返せば、今度はお札の裏側が上です。
香典の包み方における注意点ですが、中袋にのり付けをしないのがマナーです。
のり付けをすることで中にある現金を厳重に守ることができますが、香典を渡した相手が中身を確認しにくくなってしまいます。中袋を外袋で包めば、現金が落ちることは防げますから過度に心配する必要はありません。
参考:香典の包み方とは?中袋がない場合の包み方や注意点を解説
初七日は、状況によって出す香典の出し方などが異なります。それぞれの違いをよく確認しておきましょう。
初七日と葬儀が同日の場合、受付で葬儀の香典を出すときに初七日の香典をどうのように渡せばいいのかを訊ねましょう。
葬儀の後に遺体を火葬し、再び会場に戻ってから初七日法要をおこなうという流れになります。服装は、葬儀に続いておこなうので喪服で参列することになります。初七日と葬儀が同日である場合、香典には薄墨で文字を書きます。
薄墨は、悲しみの涙で墨が薄くなったという意味があり、弔意を示す一つの方法です。2つの香典を用意するので、混同しないように初七日の香典は右上に小さく「初七日」と記載しておくのがマナーです。
葬儀と初七日が別日であった場合、受付が用意されていないことが多いので、香典は会場についたときに施主に渡します。
初七日は、まだ訃報から時間が経っていないので香典に書く文字は薄墨です。四十九日を過ぎれば、濃墨で構いません。初七日の流れは、会場に参列者が集まってから僧侶による読経・焼香・法話の後に精進落しを食べて解散です。
服装は、葬儀に準じて喪服で参列します。香典を渡すときには、例えば「この度は誠にご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます」などのお悔やみの言葉を添えましょう。
初七日の香典は、状況によって香典袋に書く言葉や包み方、渡し方などが変わります。葬儀と同じだろうと考えて適当に香典を出せば、礼儀を欠いた行動になる可能性も否定できません。
それは、大切な方を亡くして悲しんでいる遺族を傷つける結果となることもあります。初七日でそのような失敗をしないためにも、正しい香典の出し方を勉強しましょう。