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《経典の成立》|ベル少短 かわら版 VOL.34

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《経典の成立》

仏教の経典といいますと、私達は文字で綴られたお経をイメージしますが、その時代、お釈迦様の教えは弟子たちが暗記をし、語り継いでいました。

当時のインドはすでに文字は普及していましたが、それは主に商用や公用に限られているものでした。(サンスクリット語)

そのため、尊い教えなどは、それぞれが心に刻み込んで、口伝により正しく継承していくものとされていました。

しかし、お釈迦様の入滅後、弟子たちは教えの内容を統一し、正しく保持していく必要性を感じ集会を開いて、その作業を行うようになりました。

これを結集(けつじゅう)といいます。

弟子たちは、約二百年もの歳月をかけて結集を繰り返し、文字で記された基本となる各種の諸経典を成立させました。

仏教の経典は、完成までに一千年以上の歳月を費やしたといわれていますが、教えを正しく伝える上でのいくつかの矛盾点は克服されず、現在にいたっております。

ちなみに……

キリスト教の聖書も然りです。

イエス・キリストという名は、一般的に一つの姓名と受け取られていますが、正しくはイエスが一般的な意味での人名に該当し、キリストは救世主のことで、キリスト教とは、イエスを救世主とする宗教のことなのです。

《なぜ、お墓に水をかけるのでしょう?》

お墓参りをするときは、まずお墓を洗ってきれいにしてからお花をお供えし、改めて水鉢に水を入れ、墓石の竿石の上から水を注いでお参りをします。 

この水をかけるという行為は、水にはものを清める力があると信じられているところから、お墓を清めるという意味があります。

水垢離(みずごり)といって、川や海に入ったり水をかぶったりして禊(みそぎ)をするのと同じ意味です。

お墓に水をかけるときは、墓石の上から静かに注ぐようにして三回いたします。