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葬儀保険「千の風」のコラムのページをご覧いただきありがとうございます。
”香典返し”とは参列者からいただいた香典に品物でお返しを行うことです。
亡くなった方との関係によって香典の金額や品物の選び方に違いがあります。
本記事では、香典返しとは何かなどを解説します。
目次
香典とは、弔事の際に参列者が喪家に渡す金品のことです。
お悔やみの気持ちとして、線香・抹香・供花などの代わりに金品を故人にお供えする目的で渡されています。
日本の仏式の葬儀では常に線香を絶やさないよう配慮されていますが、これは古くから続く風習です。
昔の葬儀では、お香の香りで野犬や虫が亡くなった方に寄ってくるのを防ぐ目的もありました。
また、故人の魂は線香の煙を道しるべにしてあの世へ行くともいわれています。
このように、葬儀においてお香は非常に重要視されるものであるため、参列者がお香を持ち寄って集まったことが香典の始まりです。
その後江戸時代に線香ができ、お香を持ち寄ることがなくなった代わりに、香典として金品などを持参する形に変化し、現在に至ります。
香典返しとは、香典をくれた方へお返しに渡す品物のことです。
香典をくれたことへの感謝の気持ちを表すほか、四十九日の法要が済んだ報告としての意味があります。
「四十九日を過ぎ、故人も無事旅立ちました」と、遺族側がお礼を込めて贈るものと考えましょう。
なお、現在のような形式の香典は昔からあったわけではありません。
昔は弔事の際、遺族が香典をくれた家族のことを記録しておき、もしその家族のだれかに不幸があった場合はもらった香典と同じ金額の香典をお渡しするという風習があり、これが香典返しの元となったと言われています。
香典返しを準備する際の悩みとしてよく聞かれるのが、香典返しの費用相場です。ここでは、香典返しはどの程度の相場で用意すべきなのか解説します。
香典返しの一般的な相場は、いただいた香典の半額です。
地域によって半額だったり三分の一返しだったり違いもありますが、基本は半返しと考えましょう。
ただし、一家の働き手が亡くなったり、子どもが未成年の場合の香典返しは三分の一でもよいとされています。
香典を受け取った遺族の経済的な負担が大きくならないよう、配慮されています。
親族は故人と血縁関係があるなど関係性が深いため、香典の金額も高い傾向にあります。
そのため、香典返しも自ずと高くなりやすいでしょう。
いただく金額相場は約10,000〜100,000円ほど。
半返しをするなら、5,000〜50,000円の費用感です。
三分の一返しであれば、大体3,000〜30,000円になるでしょう。
故人の知人の場合は、生前の故人との関係性の深さなどによって香典の金額が変わってきます。
香典の相場はおおよそ10,000〜50,000円ほど。
半返しの場合は5,000〜25,000円ほど、三分の一返しなら3,000〜15,000円ほどです。
勤め先関係は組織として弔電や供花などをお悔やみに贈るパターンが多いですが、同僚・上司の方などから個別に香典をいただくこともあります。
その場合の香典の相場は大体5,000〜10,000円です。
半返しであれば3,000〜5,000円ほど、三分の一であれば2,000〜3,000円ほどで用意します。
香典返しで、どのような品物を選ぶべきか悩む方は多いかと思います。
ここでは、香典返しの品物の選び方として、押さえておきたいポイントを紹介します。
香典返しでは、消費してなくなる品物、いわゆる「消えもの」を選ぶのが鉄則です。
弔事は不祝儀であるため、後に残ることがないようにという意味が込められています。
香典返しでは縁起などを意識して避けるべきとされる品物もあります。
例えば、4つ足生臭ものは「殺生」を連想させるためNGです。
肉類・魚介類などを香典返しに選ぶことはやめた方が良いでしょう。
また、お酒、鰹節、昆布などは慶事に使われることが多く、お祝い事をイメージさせるため、避けた方が無難です。
ギフトで喜ばれやすいものとして、「普段自分でなかなか買わないような品」があります。
例えば、高級な日用品などを選ぶのがおすすめです。
また、食品を選ぶ場合は、日持ちするものであれば賞味期限などに追われることなく消費できるため安心でしょう。
冷蔵庫などに入れて保管する手間が省けるよう、常温保存できるものを選ぶのもおすすめです。
そのほか、少しずつ消費しやすい小分けタイプの品物も喜ばれやすい傾向にあります。
香典返しを渡す時期は、四十九日の法要が終わり忌が明けたタイミングが一般的です。
前述した通り、香典返しには故人が無事四十九日を終えて成仏したという報告の意味も込められています。
ただし、葬儀当日に香典返しを渡す「当日返し」という方法もあります。
香典返しには、さまざまなマナーも存在します。
香典返しをしない場合や香典返しを辞退されたとき、お礼状の書き方など、覚えておくと役立つ香典返しマナーを紹介します。
一家の働き手を亡くしたり、その家の子供がまだ幼い場合は、今後の経済的負担などを考え、香典返しをしない選択もマナー違反ではありません。
また、葬儀の際に香典や供物をお断りすることをあらかじめ明示している場合も、香典返しなどの準備はしなくて大丈夫です。
そのほか、受け取った香典を故人ゆかりの事業や福祉団体・施設などへ寄付した場合も、香典返しは省略して問題ありません。
ただし、香典返しの品物をお渡ししない場合でも、香典をいただいたことへのお礼などを挨拶状で伝える必要はあります。
その際は、香典返しをこのような理由で省略したという旨も記載しましょう。
香典をくれる方の中には、香典返しを辞退されるケースもあります。
もし身内であれば、相手のご厚意を無駄にしないよう、お気持ちだけ受け取り、お礼状を書いて香典返しを控えるという形が良いでしょう。
ただし、身内でない場合には断られたとしても香典返しをしましょう。
もし何らかの事情で香典返しをお渡しできなかったり、受け取ってもらえなかったりした場合は、お中元やお歳暮などの機会に贈り物をしましょう。
なお、公的な職に就いているため香典返しを受け取れない方や、職場のルールで香典返しの受け取りができない方などもいるので気を付けましょう。
先にも触れましたが、香典は故人ゆかりの団体・施設などに寄付することもマナー違反ではありません。
なお、寄付する場合はお礼状でその旨を報告します。
故人が生前から寄付の意思を持っていたのであれば、親戚などにもその旨を説明しておいた方が良いでしょう。 寄付が故人の希望であるということが伝わっていないと、揉め事などに発展する可能性があります。
香典返しを直接渡せない場合には、お礼状を送るのがマナーです。
お礼状には「故人の名前」「お礼の言葉」「略儀であること」「差出人の名前」などを記載します。
なお、前述の通り、香典返しの省略や香典の寄付など相手に報告すべきことがある場合は、それらも忘れずに記載します。
香典返しと似た言葉に「会葬御礼」があります。
この2つは似て非なるものなので気を付けましょう。
会葬御礼は、「会葬返礼品」とも言われます。
香典をいただいたかどうか関係なく、全ての弔問客にお渡しするものです。
日用品やかさばらない程度のサイズの品物をお渡しします。
香典返しは香典をいただいた方へのお返しの品です。
つまり、香典をいただいていない方にはお渡ししません。
誰に渡すものかが香典返しと会葬御礼の大きな違いです。 2つは性格の違うものなので、混同しないよう注意してください。
冠婚葬祭の贈り物には包装紙のほかに「掛け紙」「のし紙」などを掛けるのがマナーです。
香典返しにはどちらの紙を使えば良いのか、疑問に思っている方もいるかもしれません。
掛け紙は水引だけが印刷された用紙のことです。
主に弔事の贈り物の際に使用します。
一方、のし紙は水引のほかに「のしあわび」と呼ばれる添え物が印刷されています。
のしあわびは縁起物であり、慶事の際に使用されます。
つまり、掛け紙とのし紙は使用シーンが全く異なるのです。弔事である香典返しにおいては水引のみの掛け紙を使うのが正解です。
香典返しにおける掛け紙と表書きの違いについても説明しておきましょう。
掛け紙は前の段落でも触れた通り、香典返しにつける紙のことを言います。
香典返しは弔事なので、のしなし水引のみの掛け紙を使います。
なお、掛け紙の上から包装する「内掛け」、包装紙の上から掛け紙を掛ける「外掛け」と掛け方にも種類がありますが、これはどちらであっても構いません。
表書きは掛け紙の水引から上に書く文字のことです。
品物を贈る目的に関する言葉を記載します。香典返しであれば「志」などと表書きを書くのが一般的です。
なお、掛け紙や表書きは葬儀の宗教・地域によって違いもあるので注意が必要です。
香典返しは葬儀の後日に返す方法と当日返す方法があります。
2つの大きな違いはお返しのタイミングですが、それぞれメリット・デメリットも異なります。
後日返しのメリットは、いただいた香典の金額ごとに適切な相場の品物を用意できるため、お返しが平等になることです。
また、葬儀がひと段落し気持ちが一旦落ち着いた頃にお返しができるので、個人的な思いをしっかり伝えることも可能でしょう。
デメリットは葬儀後にお返しを選ぶため、準備でバタバタしがちなことが挙げられます。
また、お返しする人数が多いと品物を手元に届けるまで時間がかかったり、送料がかかったりすることもデメリットです。
当日返しのメリットはお返しの渡し忘れが発生しないこと。
香典をいただいた方にその日のうちにお返しするので、返し漏れがありません。
また直接お渡しするため送料がかからないというコスト面のメリットも。
デメリットは会葬御礼と混同する可能性があることです。
そのほか、もし高額の香典をいただいた場合、当日お渡し用に用意した香典返しのほか、後日改めていただいた金額に見合った金額のお返しを用意しなければならないため、二度手間が発生するケースもあり得ます。
各タイミングのメリット・デメリットを理解した上で、どちらが自分たちの場合適しているか考えてみましょう。
今回は香典返しの相場の金額や品物の選び方について解説をしました。
香典返しの相場の金額や品物の選び方以外にもマナーや掛け紙の書き方など参考になりましたでしょうか。
葬儀を行った方からは「思ったより多くの費用がかかった」との声が多くあります。
葬儀保険「千の風」では葬儀に関する費用を負担するための商品です。
少しでも気になった方はお気軽にお問い合わせください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。