《逮夜法要》
2024.03.28
公開日:
最終更新日:
“努力”の意です、仏教ではゆったりとした努力をいいます。
精進とは仏教用語で、一心に仏道修行に励むという意味があり、又、心身を清く保つという意味もあります。
精進は確かに「努力」の意味ですが、仏教が教える精進は正しい努力です。
仏教の根本精神は「中道」(ちゅうどう)にありますから、努力のしすぎは仏教でいう精進ではないのです。
現在の私たちは、情報社会の中で生きています。
フェイクニュースに踊らされずに、相手を気遣う心や慈悲の心は忘れないように精進したいものです。
ちなみに仏教では粗食をむねとし、肉類を食べないのを原則にしていることから、魚肉類を用いない料理のことを精進料理と呼ぶようになりました。
「いい加減」といったことばには、二つの意味があります。
一つは悪い意味で、物事を中途半端にすること、無責任なやり方をすることです。もう一つは、あまりしつこくしないでほどほどにすることです。仏教でいう「中道」は後者の意味です。
風呂の湯加減がそのいい例です。熱い湯の好きな人には熱い湯が、ぬるい湯の好きな人にはぬるい湯が、それぞれの“いい”加減なのです。
お釈迦さまは教える相手のいい加減を見てとってそれぞれの人に教えを説かれました。あまりにも頑張りすぎている弟子には、もっと怠けなさい、怠け者にはもっと努力しなさいと教えられました。
この中道が、仏教の実践論の基本です。