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荼毘とは火葬のことですが、その起源はインドにあります。
語源はサンスクリット語の“ディヤーピタ”パーリ語で“ジャーピタ”の音訳です。
死体を火葬する風習はインド独特のものです。インドと日本では、火葬後の行いで決定的に違うところが一つあります。
それはインド人は墓を作らず、火葬したあとの遺骨を全部川に流してしまうことです。日本人の埋葬の起源は、はじめは土葬にありお墓を作っていました。そこに火葬が採用されたものですから、遺骨をお墓に納めることにしました。
それではなぜインドに、お釈迦様の遺骨を安置した仏舎利塔が現存しているかといいますと、仏舎利塔はお墓ではなく、性格的には記念碑なのです。
以前の記事、「《舎利》 (しゃり)サンスクリット語の“シャリーラ”の音訳」もご参照ください。
子供のことを「餓鬼」と呼ぶのは、子供の食欲が旺盛で、ガツガツと食べるところからの連想でしょう。
飢餓にあえいでいる亡者のことを、仏教では「餓鬼」と呼びます。
サンスクリット語の“プレータ”を訳したもので、仏典には「無財餓鬼」「少財餓鬼」「多財餓鬼」という三種類の餓鬼が登場します。
「無財餓鬼」は、何も食べられない餓鬼、「少財餓鬼」は少しは食べることができますが、その食べ物は、膿血や残飯を食べる餓鬼のことであると云われています。
一方、「多財餓鬼」は裕福で、多くの財産を持ち、たらふく食べて太っています。「無財餓鬼」や「少財餓鬼」は地下の世界にしか住めないのに、「多財餓鬼」は人間世界や天界に住んでいます。
飢餓にあえいでいないのに、どうして「餓鬼」なのでしょうか…?
実は「多財餓鬼」は、際限なく欲望を持ち満足することができない「餓鬼」のことであり、つまり「餓鬼」とは、欲望にとめどもない状態を指しているのです。